文明の始まりから、人は星を見上げ、自分たちの居場所について考えてきました。太陽は再び昇るのか、月は何かを求める神なのか。太陽や月、星の動きを手がかりに暮らすなかで、人は天文学を学び、時計の歴史の土台を築いてきました。巨大な日時計で1日を24時間に分けるよりも前から、古代の人々は月の満ち欠けを観察して、時や天候を読み取っていたのです。
今では時刻を知るもっと正確な方法がありますが、腕時計のムーンフェイズ(月齢表示)機能は、長年にわたって美しく魅力的な機構として愛されてきました。単なる飾りなのでしょうか。その答えは、ムーンフェイズの機構と同じように、少し複雑です。
ムーンフェイズ腕時計の歴史
ムーンフェイズを備えた腕時計の最初期の例としては、1925年に作られた永久カレンダー付きの腕時計がよく知られています。その後、多くの時計メーカーが独自のムーンフェイズ腕時計を手がけるようになり、今も根強い愛好家がいます。人気が高まった現在でも、ムーンフェイズの基本的な役割は誕生当時からほとんど変わっていません。
ムーンフェイズの2つのタイプ
ムーンフェイズの表示方法には、主に「ディスク式」と「針式」の2種類があります。どちらもその夜の月の形を示しますが、より一般的なのはディスク式です。月の絵が描かれた円盤が回転し、文字盤の窓から月の満ち欠けを表します。針式は、文字盤上の針で月齢を指し示します。どちらも凝った機構ですが、文字盤の小窓に月が姿を見せるディスク式は、特に目を引く美しさがあります。

ムーンフェイズの仕組み
一般的なムーンフェイズは、59枚の歯を持つ歯車を使い、1日に1歯ずつ送ることで月の満ち欠けを表します。59日でおよそ月の満ち欠け2回分(約29.5日×2)に相当するため、シンプルな仕組みながら驚くほど正確に月齢を示すことができます。月の満ち欠けの主な4つの段階は次のとおりです。
- 新月:月が太陽と同じ方向にあり、地球からはほとんど見えません。
- 上弦の月:月の右半分が明るく見えます。
- 満月:月の全体が太陽に照らされて見えます。
- 下弦の月:月の左半分が明るく見えます。

月の満ち欠けの周期は約29.5日のため、59歯の歯車では少しずつずれが生じ、約3年ごとに調整が必要になります。調整の手間を減らすため、135歯の歯車を使い、100年以上ずれがほとんど生じないムーンフェイズも開発されています。

ムーンフェイズの腕時計は必要か?
正直に言えば、必要ではありません。スマートフォンやパソコンがある今、腕時計そのものも時刻を知るための必需品ではなくなりました。腕時計を集める楽しみは、時刻や月齢を正確に知ることだけではありません。ムーンフェイズの腕時計を選ぶことは、古くから続く時計づくりの知恵に敬意を払い、手元を上品に彩る一本を身につけることでもあるのです。
ワンチャーの「ドリーム・ムーンフェイズ KAGUYA」は、日本最古の物語といわれる「竹取物語」から着想を得たムーンフェイズの腕時計です。
