クロノグラフは、時刻を表示しながら、ストップウォッチとして経過時間を計れる腕時計です。スマートフォンにもストップウォッチがある今、「腕時計のクロノグラフって、実際に使う場面はあるの?」と思う方もいるかもしれません。この記事では、日常でクロノグラフが役立つ場面と、クオーツ式・機械式・メカクォーツの選び方をわかりやすくご紹介します。

クロノグラフとは
クロノグラフ(Chronograph)という名前は、ギリシャ語の「クロノス(時間)」と「グラフェイン(書く)」に由来し、「時を書く」という意味をもちます。19世紀初めに生まれた初期のクロノグラフには、文字盤にインクで印をつけて時間を記録するものもあり、名前はその名残ともいわれています。
現代のクロノグラフは見た目こそ大きく変わりましたが、基本の役割は今も同じです。時刻を表示しながら、秒・分・時間単位で経過時間を計ることができます。では、日常のどんな場面で役立つのでしょうか。
料理
クロノグラフは長いあいだ、軍や航空の現場で時間を計る道具として使われてきました。そう聞くとキッチンには少し場違いに思えますが、実はとても相性のよい道具です。半熟卵のゆで時間やパスタのゆで時間、ベーコンを焼きすぎないための目安など、手が離せないときでも手首を見るだけで経過時間がわかります。スマートフォンを濡れた手で触らずにすむのも、うれしいポイントです。

スポーツ・トレーニング
1分間でどこまで走れるか、試したことはありますか。まだなら、今がそのタイミングかもしれません。プールで1往復のタイムを計ったり、ジムでセット間の30秒休憩を計ったり。クロノグラフは、トレーニング中の「ちょっと計りたい」にすぐ応えてくれる、頼りになる時計です。

健康管理
クロノグラフはパイロットや軍のイメージが強い時計ですが、医療の現場や、ふだんの健康管理にも役立ちます。脈拍を数えるとき、ストレッチや呼吸を整える時間を計るときなど、秒単位で時間を確かめたい場面で活躍します。健康を意識した毎日の習慣に、さりげなく寄り添ってくれます。
ファッション
機能だけでなく、クロノグラフはおしゃれのアクセントにもなります。サブダイヤル(計測用の小さな文字盤)が並ぶ顔つきは存在感があり、スーツにもカジュアルな服装にもなじみます。

平日の仕事から週末のお出かけまで、1本で幅広いシーンに使えるのもクロノグラフの魅力です。

クオーツ式と機械式、どちらを選ぶ?
答えは「目的しだい」です。時計好きのあいだでは「機械式クロノグラフは1本持っておきたい」といった声もよく聞かれますが、実際にはクロノグラフがなくても困ることはありません。ここまで読んで「自分には必要なさそう」と感じたなら、それもひとつの答えです。一方で、クオーツ式と機械式の違いが気になってきた方のために、それぞれの特徴をまとめます。

クオーツ式クロノグラフ
電池で動くクオーツ式は、一般に機械式よりも精度が高く、扱いやすいのが特長です。光で充電するソーラー式のクロノグラフもあり、電池交換の手間を減らせるものもあります。価格も手に取りやすいものが多くそろっています。気になる点としては、モデルによって作りの質に差があることや、秒針が1秒ごとに刻むように動く「ステップ運針」を好まない方もいることが挙げられます。
機械式クロノグラフ
ゼンマイと歯車で動く機械式クロノグラフは、時計づくりの技術が詰まった存在です。自社でムーブメントを開発する時計メーカーの中には、クロノグラフムーブメントを技術の象徴として打ち出すところもあります。ただ、そうした機械式クロノグラフは高価なものが多く、気軽に選べる価格とは言いにくいのが正直なところです。

一方で、手に届きやすい機械式クロノグラフもあります。その代表が、手巻きのクロノグラフムーブメント「シーガル ST19」です。20世紀半ばのスイス製クロノグラフムーブメントの設計を受け継いだもので、ワンチャーウォッチのクロノグラフとFortitude(フォーティチュード)にも採用しています。ただし、より高価なムーブメントと同じ信頼性を期待するものではない点は、知っておくと安心です。
いいとこ取りのメカクォーツ
「精度と手ごろさはほしいけれど、クオーツの秒針の動きは少し苦手」という方には、メカクォーツという選択肢があります。時刻はクオーツで正確に刻み、クロノグラフの操作部分には機械式の仕組みを取り入れたムーブメントです。クロノグラフ秒針がなめらかに動き、ボタンを押したときの手ごたえも機械式に近いのが特長です。
ワンチャーウォッチの天時(TENJI)は、セイコー VK64メカクォーツを搭載したクロノグラフです。日本でデザインした文字盤、38mmの着けやすいケース、タキメーターとテレメーターを備え、クオーツと機械式それぞれの良さをバランスよく取り入れました。

文字盤のまわりにある目盛りの使い方は、タキメーターとテレメーターの読み方で詳しくご紹介しています。