ワンチャーウォッチについて:総合ガイド
ワンチャーウォッチは、2005年以降、日本のプレミアムウォッチブランドとして、ユニークで高品質な時計を作り続けています。日本の伝統的な職人技と現代的なデザインを融合させた時計を作ることで知られるようになれました。
この総合ガイドでは、ワンチャーウォッチの世界を深く掘り下げていきます。ブランドの歴史、過去から現在までのデザイン哲学、使用する素材や技術、そして現在のコレクションをご紹介します。
また、ワンチャーウォッチが他のウォッチブランドとは異なっている点、お客様が身に着けたいと思っていただけるために時計の魅力についてもご説明いたします。
黎明期(プレ・ドリームウォッチ時代 2005年~2019年)
2019年に公式サイトを公開してから、各種SNSを媒介にワンチャーウォッチは国内外への認知を高めてきました。
このブランドは元々、2005年に弊社の代表取締役である岡垣太造が国内市場に特化したアウトドアウォッチやツールウォッチを製造することを目的に立ち上げました。
岡垣はワンチャーウォッチの独自性を見出すために、長年にわたり、様々なデザインや時計の複雑機構を積極的に探究しました。他社の時計を参考に試作品を製作することから始まり、優れたツールウォッチの機能を取り込んだ個性的な時計を製作しようとあらゆる手段を試みたのです。
しかし、既存の製品を参考にしたことがワンチャーウォッチにとって妨げとなりました。競合他社が多数存在する中で、独自のアイデンティティ、ストーリー性、歴史を持たないワンチャーウォッチではブランド力をアピールすることが出来ませんでした。
そのため、何かを変える必要があったのです。

2021年「ドリームウォッチ」をMakuakeで発売(国内クラウドファンディング)
ワンチャーではこれまで、日本の伝統工芸である漆塗りを施した万年筆「ドリームペン」を中心に、世界中へ伝統工芸を普及するために尽力してきました。伝統工芸を保護し、日用品として新たな作品を生み出すことはワンチャーの使命として受け継がれています。
2021年、ワンチャーウォッチは黎明期時代に築いたデザインから離れ、国内クラウドファンディング「Makuake」で漆塗りを施した文字盤の時計、「ドリームウォッチ」を公開、生産への協力を募りました。このプロジェクトは無事目標を達成し、時計愛好家にはワンチャーウォッチが日本の芸術にインスパイアされた時計メーカーであるということを知ってもらうことが出来ました。
その後、ドリームウォッチは海外でも一般発売が開始され、世界中から注文が入るようになりました。ドリームウォッチの開発・販売はワンチャーウォッチにとって大きな節目となり、独自性の高い高級時計メーカーとしての地位を確固たるものにしました。

国際市場への参入には、国内以上の激しい競争やより強力なブランド・アイデンティティの確立など様々な困難が伴います。ワンチャーウォッチは優れた時計を作ることに注力することで、このような困難を乗り越え、日本の伝統工芸の技とモダンなデザインを融合させた時計を、世界中の時計愛好家にアピールし続けたいと考えています。
ドリームウォッチプロジェクトを見るドリームウォッチ ムーンフェイズ KAGUYAの発売(Kickstarter)
2022年、ワンチャーウォッチは海外で認知を高める次のステップとして、ドリームウォッチの新作を発表しました。マザーオブパールを夜空色に染め上げた文字盤に、月齢表示のある腕時計は海外クラウドファンディング「Kickstarter」にて公開されました。
この新作ドリームウォッチは、デザインの背景に深い文化的・日本の伝統的な意義を持つ時計として、さらに国際市場へ進出することになりました。
そして、日本の伝統的な職人技と現代の時計製造技術の融合によって完成した新作は、真にユニークで特別な時計を作りたいというワンチャーウォッチのこだわりを体現しています。

Kickstarterでの新しいドリームウォッチの発売は、海外事業を拡大し、強力なブランド・アイデンティティを持つ時計メーカーとしての地位を印象付ける重要な瞬間でもありました。伝統工芸職人の技と細部へのこだわりを持つワンチャーウォッチは、時計作りの世界で常に可能性を模索し、限界という境界線を押し広げ続けています。
Kickstarterプロジェクトを見る今日のワンチャーウォッチ
私たちは、日本芸術に根ざした深い文化的・歴史的意義を持つ時計をデザイン・生産し、さらに隠れた伝統工芸を発見し、ワンチャーウォッチとして世界に発信し続けています。このような日本の芸術・文化の重要な要素を保存し、世界中の時計愛好家へ伝えることが、このブランドの目標であります。ワンチャーウォッチは、日本の伝統的な職人技と現代的な時計製造技術を融合させ、ユニークで芸術的な時計を生み出すことで高い評価を得ています。日本文化を守り続けるという姿勢は、漆や螺鈿、蒔絵などの日本美術の要素を取り入れた時計の複雑なデザインやディテールに反映されています。文化的なアイデンティティーを持つ時計を作り続けることで、ワンチャーウォッチは日本の芸術と文化への深い理解と認識を促したいと考えています。伝統的な職人技を紹介し、より多くの人に知ってもらうことで、世界に通用する日本の時計メーカーとしての使命を果たしていきたいと考えています。

私たちの時計デザイン哲学とは
時計を作る上で、流行やありふれたデザインに倣う必要はないと考えています。日本の伝統的な文学や芸術には、豊かなデザイン哲学があり、それが私たちの時計作りにおけるインスピレーションになると考えています。そのため、私たちの時計デザインは、文学への解釈や漆や蒔絵などの芸術工芸の活用という2つの基盤の上に成り立っています。
インスピレーション:物語を伝える
日本文学の歴史の中で様々な民話や物語、歌集や随筆などが生まれました。その中には、色や質感、佇まいなど、時計に通じるデザイン要素も多く含まれています。
ワンチャーでは民間で語り継がれている、昔話や伝説といった民話を探しました。日本独自の民話の中からインスピレーションを得て、時計で表現することで、実用的でありながらユニークなストーリー性を持った作品を生み出すことを心掛けています。
日本の文化遺産を守りたいという私たちの取り組みは、それぞれの時計に表れており、デザインの美学に民俗や物語の要素が組み込まれています。 日本文学の豊かな歴史と文化的意義を探求することで、ワンチャーウォッチは機能的な目的以上のものを提供する真にユニークな時計を製作することができました。
日本の文学的要素を受け継いだ時計は、所有者へそれぞれの物語を語りかけてくることでしょう。
伝統の職人技
職人の洗練された職人技によって作り上げられた時計には、計り知れない価値があると強く信じています。
漆職人が1本の美しい時計を作るために必要な努力は、数値化できるものではありません。漆の文字盤を完成させるには、何段階もの複雑な工程を経て、少なくとも4~6ヶ月かかります。このような熟練した職人になるためには、最低でも10年以上の漆塗りの経験を積まなければなりません。しかし、日本の若い労働者の多くが地方から都市部へ移り住み、近代的な労働力を求めている現代では、漆の徒弟制度のような伝統工芸技術は衰退しつつあります。
私たちは、この100年以上の歴史を持つ伝統工芸技術を守るため、そして次世代へ継承していくために、伝統工芸の保護と普及活動に努めています。
伝統の職人技に彩られた時計は、非常に貴重なだけでなく、物語も秘められています。文字盤はひとつひとつ丁寧につくられ、唯一無二の存在となります。手作りならではの不規則性は時計を真にユニークなものにし、新たな物語を紡ぎだします。


私たちの時計を支えるムーブメント
私たちはムーブメントを製造しているブランドの知名度だけでなく、ムーブメント自体の精度や信頼性を重要視しています。そのため、日差±10秒から±30秒の精度、そして38時間以上のパワーリザーブを持つムーブメントを基準として採用しています。ここでは弊社の時計で使用しているムーブメントをキャリバーごとにご紹介いたします。
ワンチャーウォッチに採用されているムーブメントの性能、歴史、仕様など、詳細は下記をご覧ください。
日本製機械式ムーブメント

Miyota 9015
Miyota 9015は、日本の時計メーカー「MIYOTA」が製造する高級機械式ムーブメントです。精度、信頼性、品質に定評のあるオートマチック(自動巻き)ムーブメントです。
Miyota 9015は、シチズン時計の子会社である日本の時計メーカーMIYOTAが開発したムーブメントです。MIYOTAには、高品質の機械式ムーブメントを製造してきた長い歴史があり、9015もその伝統の一部です。
Miyota 8215ムーブメントの後継機として2009年に登場し、スイス製ムーブメントに代わる高品質で手頃なムーブメントとして、瞬く間に人気を博しました。 直径は26mm、厚さが3.9mmです。
ムーブメントの精度と可動部の摩擦や摩耗を低減するための石数は24、約42時間のパワーリザーブを備えています。振動数は28,800vphで、-10~+30秒/日の精度を実現します。自動巻/手巻、日付表示などの機能を搭載しています。
Miyota 9015は総合的に見て、価格に対して優れた品質であることに定評のあるムーブメントです。比較的小さなサイズ、精度、信頼性により、時計愛好家、特にスイス製ムーブメントに代わる手頃なムーブメントを探している人たちの間で人気があります。
Miyota 9015ムーブメント搭載の時計
中国製機械式ムーブメント
中国製ムーブメントは中国で生産されている機械式ムーブメントです。中国は古くから時計部品の生産拠点であり、最近では独自のムーブメント開発にも力を入れています。
かつて中国の時計メーカーは、スイスのETA社や日本のMiyota社といった海外ブランドが開発した設計技術をベースにムーブメントを製造するのがほとんどでした。しかし、ここ数十年の間に、中国の時計メーカーは独自のムーブメントを開発し、大きな進歩を遂げました。
時計愛好家の中には、スイスや日本のブランドのムーブメントを好む人もいるかもしれませんが、中国製ムーブメントが近年、品質と革新性の面で大きく前進していることは否定できません。手頃な価格と信頼性、そして高い精度を兼ね備えています。

Hangzhou H7M01
杭州H7M01は、中国の杭州手表有限公司が製造する機械式時計のムーブメントです。杭州製7系列シリーズのムーブメントの一つで、その他にも様々な時計に使用されている機械式ムーブメントがあります。
杭州手表有限公司は、1960年代から機械式時計のムーブメントを製造している長い歴史を持っています。当初は海外ブランドの設計に基づくムーブメントの生産が中心でしたが、1990年代からは自社開発のムーブメント製造にも力を入れるようになりました。そして誕生したのが、7系列シリーズムーブメントです。
H7M01は、21石、21,800振動pvhを搭載している手巻きムーブメントです。パワーリザーブは約48時間で、最大巻き上げで48時間駆動させることができます。また、ムーブメントを停止させて正確な時刻を合わせることができるハッキング機能も備えています。
H7M01は、直径25.6mm、厚さ4.1mmと比較的コンパクトで、様々なスタイルの時計に使用することができるムーブメントです。ドレスウォッチなど、薄型が求められる時計で多く採用されています。
杭州H7M01ムーブメント搭載の時計

Seagull ST19
いくつかある中国製ムーブメントの中でもスイスのヴィーナス175ムーブメントをベースにした「Seagull ST19 」ムーブメントも、その高い精度と信頼性、そして手頃な価格帯が時計愛好家の間で高い評価を得ています。
Seagull ST19の石数は、19~22個(モデルにより異なります)を使用しているため、高い精度と摩耗が少ないことが大きな特徴です。また、21,600vph、パワーリザーブは約42時間ですので、手巻きの機械式ムーブメントとしては比較的平均的な性能を備えています。さらに、一体型クロノグラフムーブメントであるため、メインの時計機構にクロノグラフという複雑機構が組み込まれています。そのため、ムーブメントの製造はより複雑になりますが、コラムホイール式を採用することでスムーズで正確なクロノグラフ操作を実現するだけでなく、メンテナンスや修理がしやすくなっています。
Seagull ST19ムーブメント搭載の時計

Seagull ST1612
シーガル社は、1950年代から機械式時計のムーブメントを製造している長い歴史を持つメーカーです。
創業当初は海外ブランドのデザインをベースにしたムーブメントが中心でしたが、1980年代に入るとムーブメントの自社開発に力を入れるようになり、ST1612は、その代表的なムーブメントのひとつです。
ST1612は、直径23.3mm、厚さ3.6mmと比較的小型のムーブメントです。その小さなサイズにもかかわらず、21,600pvh(3Hz)、約45時間のパワーリザーブがあり、信頼性と精度を備えています。
ムーブメントには21石を採用し、可動部の摩擦や摩耗を低減するとともに、精度と信頼性を高めています。また、ST1612はハッキング機能を搭載しており、ムーブメントを停止させて正確な時刻合わせを行うことができます。ST1612の精度は日差±30秒で、この価格帯のムーブメントとしては十分な精度であると評価されています。
Seagull ST1612ムーブメント搭載の時計
ワンチャーは、大分県豊後高田市に本社を置く日本の企業です。高品質な時計、万年筆、革製品のデザイン・製造を専門としています。日本の伝統文化と現代のファッショントレンドの両方からインスピレーションを得た、ユニークで芸術的、かつ革新的なデザインで知られています。私たちのビジネスモットーは、「Discover the Undiscovered(未知を発見する)」です。日本の隠れた芸術品にスポットを当て、時計と万年筆の形で紹介することに努めています。
ユニークなデザイン:日本の伝統芸術と現代の流行、両方からインスピレーションを得て、ユニークで芸術的、かつ革新的なデザインの作品を生み出しています。(漆塗や真珠層を使用した文字盤など)
誠に申し訳ございませんが、弊社では交換パーツのみの販売は行っておりません。商品の修理対応について、保証期間はご購入日より1年間となっておりますが、保証期間が過ぎてしまっても有償にて対応が可能な場合がございますので、メールフォームまたはinfo@wancher.jp までお問い合わせください。
時計には信頼性と精度の高いムーブメントを搭載することが重要だと考えています。
そのため、日本製の機械式ムーブメントやクォーツムーブメント、中国製のムーブメントなど複数のムーブメントを採用しています。それぞれ時計の機能や用途に応じて最適なパフォーマンスを行えるように使い分けています。
日本製の機械式ムーブメントは精度と耐久性で高い評価を得ており、中国製ムーブメントは優れた品質と性能を備えています。日本製のクォーツムーブメントも高い精度と信頼性があります。
私たちはそれぞれの時計に最適なムーブメントを選択し、お客様にご満足いただけるよう日々、品質と精度の向上に努めています。
ワンチャーウォッチの保証期間はご購入から1年間となっております。初期不良による交換や、返品の場合は送料も弊社負担となります。
初期不良、または製造上の瑕疵により時計に不具合が生じた場合には、無償にて交換・修理対応、返品の場合は全額返金いたします。
また、不具合でない場合もご購入から30日以内であれば、送料は弊社負担にて返品できます。30日を過ぎた場合には購入価格の15%が返品手数料として発生いたします。
また返品をご希望される場合には、時計が破損等なく元の状態であることが必要なのでご注意ください。
不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
返品をご希望の場合は保証書に記載のメールアドレスまたはQRコードからメールフォームを利用してご連絡ください。
手首のサイズ計測や時計の選び方は下記を参考にしてください。
まず、メジャーや紐などをつかって手首の長さを測定してください。
そして、ご希望の商品ページに記載しているケースサイズを確認して比較してください。
ワンチャーウォッチのケースサイズは一般的に38~44mmですが、これより大きいサイズや小さいサイズのモデルもあります。
商品ページにサイズの記載がない場合は、お手数ではございますが弊社までお問い合わせください。
腕時計のサイズを選ぶ際には、個人の好みにも大きく左右されます。ご自身の手首に合ったサイズが分からない場合には、商品ページに記載されているサイズと同じ大きさの時計を実際に試着してみることをお勧めします。
ケース&クリスタル

ドリームウォッチでは、オロルという特別な発色処理を施したケースをご用意しています。
従来のPVDコーティングや塗装とは異なり、ステンレス被膜を変えることによって色を変化させています。さらにオロルによるステンレス発色では厚みに変化がないためフィット感と手触りが損なわれることはありません。
316Lステンレススチール製ケース
ワンチャーウォッチの製造には、高品質の素材を使用しています。ケースに使用しているステンレススチールは、腐食や変色に強い316Lステンレススチールを採用しています。
316Lステンレススチールは、サージカルステンレスとも呼ばれており通常のステンレススチールより高い耐食性を持っています。また、金属アレルギーを起こしにくいため、腕時計はもちろん身に着けるアクセサリーや医療器具などでもよく使用されています。
さらに頑丈なので、毎日使っていただいても傷が付きにくいのも特長です。


PVDマットブラック加工
グルカモデルのケースには、PVDマットブラック加工を施したアルミニウムを採用し、耐久性とスタイリッシュな仕上がりを実現しています。PVDマットブラック加工は、グルカシリーズの頑丈で冒険的な精神と調和し、洗練されたモダンな印象を与えてくれます。
アルミニウムは軽量で耐食性に優れているため、時計ケースに最適な素材です。PVD加工は、湿気や空気に長時間さらされることで発生する腐食や変色を防ぐための保護膜の役割を果たします。コーティングを施すことで、いつまでも美しい状態を保ち、魅力的なブラックカラーを長年にわたって維持することができます。
風防
ワンチャーウォッチでは、時計の文字盤の視認性を高め、また保護するために、高品質の風防を使用することが重要だと考えています。そのため、時計の機能や使用用途に応じて、サファイアガラス、強化ミネラルガラス、アクリル、ドーム型サファイアガラスなど、さまざまな素材を採用しています。