2026年 ドリームウォッチ 漆ケース刷新 | 40ミリのドリームウォッチがついに登場

2026年 ドリームウォッチ 漆ケース刷新 | 40ミリのドリームウォッチがついに登場

投稿者 Taizo Okagaki 日時

文字盤はそのままに、ケースだけ小さくなったドリームウォッチ ウルシ

この一年、お客様から寄せられるお問い合わせで特に多かったのが、こんな一言でした。 「ドリームウォッチ ウルシを、もっと小さいサイズで作ってもらえませんか?」

その答えが、ようやく形になりました。しかもこのモデルの魅力そのものである"文字盤"には、一切手を加えていません。

新しいドリームウォッチ ウルシは、これまでの42ミリから40ミリケースへとサイズダウン。あわせてケースバックのデザインを刷新し、専用装飾ローターを新たに採用。反射防止コーティングも大幅に強化し、クラウンは深彫り仕様へと生まれ変わりました。ここでは、その変更点と背景を詳しくご紹介します。

ひと目でわかる変更点

  • ケースサイズ:42ミリ → 40ミリへ縮小
  • 文字盤の大きさは42ミリケース時代と同一(一切トリミングなし)
  • 防水性能:10気圧(ファイブ・エーティーエム表記/ケースバックに刻印)※ドレスウォッチとしての防水であり、ダイビング用途ではありません
  • 新デザインのシースルーケースバックと、和柄をあしらった専用ローターを搭載
  • エーアールコーティングを2倍→8倍に強化し、文字盤の視認性が向上
  • 新たに深彫り仕様の刻印クラウンを採用
  • 発売時期:本年中に発売予定

なぜ最初は42ミリだったのか

ドリームウォッチ ウルシを設計した当初、私たちが掲げていた目標はただひとつ、「漆の文字盤が、その表情を存分に発揮できる広さを持たせること」でした。

漆は単なる印刷パターンではありません。幾層にも塗り重ねられた、職人による手仕事そのものであり、光の当たり方によって色合いや奥行きが刻一刻と変化します。その変化を腕の上でしっかりと感じていただけるだけの"キャンバス"が必要だと考え、42ミリというケースサイズにたどり着きました。

お客様の声と、私たちが直面した課題

発売後、多くの反響をいただきました。42ミリならではの存在感を気に入ってくださる方がいる一方で、40ミリ、あるいは39ミリ前後の、より手首になじみやすく、シャツの袖口にも収まりやすいサイズを求める声も同じくらい多く届きました。

しかし、ここに大きな課題がありました。通常の設計手法でケースを小さくすると、文字盤も一緒に小さくなってしまいます。ケースを縮小すれば、中身もすべて縮小されるのが一般的な考え方です。ですが、このモデルのアイデンティティである漆の文字盤を犠牲にするという選択は、私たちにとって受け入れがたいものでした。

解決策:文字盤はそのまま、ケースだけをスリムに

今回、私たちはその課題を乗り越える方法を見つけました。ムーブメントとケース内壁の間の余白を詰め、ケース壁自体の厚みを薄くすることで、文字盤のサイズを42ミリ時代とまったく変えることなく、ケースだけを40ミリへと縮小することに成功しました。

その結果、腕にぴったりと収まる、これまでよりも薄く低いプロファイルのケースが実現。もちろん、目に映る漆の文字盤そのものに変化はありません。

防水性能について:普段使いに安心、水中使用は非推奨

新しいケースは10気圧(100m)防水性能を備えています。とはいえ、ドリームウォッチ ウルシはあくまでドレスウォッチであり、漆は伝統的な日本の装飾技法であって、ダイビングウォッチ向けのコーティングではありません。そのため、過度な期待を避けていただくためにも、ケースバックには「ファイブ・エーティーエム」と明記しています。雨の日の着用や手洗い時の水はね程度は問題ありませんが、水中での使用はお控えください。

ムーブメントを覗き込む、新しいシースルーケースバック

これまでのケースバックには、日本らしさを象徴する富士山のモチーフが、無垢のスチール板に彫刻されていました。

(旧型)ドリームウォッチ ウルシのケースバック:ソリッドスチールに富士山を彫刻

新しいケースでは、ケースバック自体をシンプルなデザインへと見直しつつ、そのアート性を失わないよう、モチーフの居場所を変更しました。新しいケースバックは透明なシースルー仕様となり、内部のムーブメントを直接ご覧いただけます。そして富士山に代わり、このモデル専用に製作した、伝統的な和柄をあしらったオリジナルローターへとアート性を引き継ぎました。

新しいドリームウォッチ ウルシのシースルーケースバック:自動巻きムーブメントと、和柄デザインの専用ローターが見える

小さな変更に見えるかもしれませんが、腕時計との向き合い方そのものが変わります。固定された彫刻を眺めるのではなく、手首を動かすたびに回転するローターを見つめる楽しみが生まれるのです。

8倍のエーアールコーティングで、漆の表情をよりクリアに

このモデルが存在する理由が漆の文字盤であるならば、それをどれだけクリアに見せられるかは、ケースそのものと同じくらい重要な要素です。従来モデルには2倍の反射防止(エーアール)コーティングが施されていましたが、新しいケースでは8倍のエーアールコーティングへと4倍に強化。反射を大幅に抑えることで、さまざまな光の環境下でも、漆特有の奥行きや色の変化がよりはっきりと感じられるようになりました。

デザインの一貫性を高めるクラウン

新しいケースバックのデザイン言語を、時計全体に通わせるため、クラウンも刷新しました。通常の刻印クラウンに代わり、新しいドリームウォッチ ウルシには深彫り仕様の刻印クラウンを採用。時刻合わせの際にも、より確かな存在感と手応えを感じていただけます。

発売時期について

新型ドリームウォッチ ウルシ・40ミリケースは、本年中の発売を予定しています。「あの漆の文字盤は好きだけど、42ミリは少し大きい」と感じていた方にとって、待望の一本になるはずです。発売情報は追ってお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに。

← 古い投稿 新しい投稿 →

コメントを残す

News

RSS
世界初の漆塗ケース:室町から続く会津の匠の技が、あなたの手首に宿る
ドリームウォッチ 会津漆 日本の伝統工芸 漆のお手入れ 漆塗りケース 漆塗り腕時計 職人技 赤溜塗り

世界初の漆塗ケース:室町から続く会津の匠の技が、あなたの手首に宿る

執筆者 Taizo Okagaki

何世紀にもわたり、日本の漆は器や刀の鞘、茶道具など、暮らしと文化を彩る工芸品に用いられてきました。 近年では腕時計の文字盤にも漆芸が取り入れられ、その美しさは多くの人々を魅了しています。 しかし、その漆はガラス越しに眺めるものであり、直接手に触れることはできませんでした。 その常識を覆したのが、「ドリームウォッチ・漆」コレクションです。 本作は、文字盤だけでなくケースそのものに会津漆を手作業で塗り重ねた、世界初の腕時計です。 深みのある艶が美しい「赤溜塗」仕上げは、福島・会津の熟練した漆職人によって一点一点丁寧に制作されています。 すべてが一点もののため、同じ時計が再び製作されることはありません。 世界にただ一つだけの漆芸作品として、唯一無二の価値を備えています。 本記事では、この特別な腕時計に込められた伝統や製作工程、そして日本の時計文化やマイクロブランド、ヴィンテージウォッチを愛する方々にとって、本作が特別な存在である理由をご紹介します。 漆の伝統:日本の漆の起源 漆の木と漆の樹液 漆の木 漆(うるし)は、漆の木から採取される樹液です。 その主成分であるウルシオールは、暖かく湿度の高い環境にさらされると酵素反応によって硬化し、水や熱、化学的劣化に耐える強靭な被膜を形成します。 これは単なる塗料ではなく、空気そのものによって硬化する「生きている素材」であり、極めて長い歴史にわたり日本の工芸の一部として親しまれてきました。 日本で発見された漆の木の化石は、およそ12,600年前のものと推定されており、漆器の使用は紀元前7000年の縄文時代までさかのぼることが確認されています。 仏教が日本へ伝来した頃には、漆はすでに日本の文化や暮らしに欠かせない素材として広く用いられていました。 寺院を彩る荘厳な仏具や装飾品、茶道具、さらには武士の鎧に至るまで、漆はさまざまな工芸品に用いられ、その美しさと耐久性によって高く評価されてきました。8世紀には、漆塗りの椀や皿は高級な食卓に欠かせない器として広く親しまれるようになります。 16世紀にポルトガルの宣教師が、続いてオランダの商人が日本の漆器に出会うと、その精巧な美しさはヨーロッパの人々を魅了しました。やがて日本の漆器は欧州で「Japan(ジャパン)」と呼ばれるようになり、その名称は漆器そのものを指す言葉として広く定着しました。これは、中国の磁器が「China(チャイナ)」と呼ばれるようになったことにも通じる、当時の人々が日本の漆工芸に寄せた深い敬意を物語っています。 会津漆:日本有数の歴史を誇る漆芸 ワンチャーの「ドリームウォッチ 漆」コレクションは、福島県会津地方で受け継がれてきた、日本を代表する漆芸の一つ 「会津漆」 の伝統を受け継いでいます。 会津漆器は、漆を幾重にも塗り重ねることで生まれる、美しい艶と優れた耐久性を特徴としています。 その歴史は15世紀にまで遡ります。会津で漆の木の栽培を奨励した芦名盛信、そして1590年には藩主・蒲生氏郷が、近江国(現在の滋賀県)日野から優れた木工職人や漆職人を招き、高度な技術を会津にもたらしました。これを機に、会津は漆の木の栽培から塗り、加飾に至るまで、一貫したものづくりを行う日本有数の漆産地へと発展していきます。...

続きを読む
特別モデル: KAGUYA -水月-月見

特別モデル: KAGUYA -水月-月見

執筆者 Taizo Okagaki
続きを読む